マネタイズ事例:ブログを月4万ドルの収益につなげた「Beardbrand」

Identity Branding Brand Marketing Business Concept

2016/02/03 マネタイズ公式ブログ 

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企業メディアのマネタイズを成功させるためには一体どの程度の投資が必要だと思いますか?

企業によって、マーケティングにかけられる費用はまちまちです。しかし、「低コストで効率のよいマーケティングを行い、マネタイズを成功させたい」というのは、多くの企業が持つ共通の思いではないでしょうか。今回紹介するアメリカのBeardbrand社は、Eric Bandholz氏が個人ブログを月4万ドルの収益を上げるブランドへと成長させた事例です。初期費用をほとんどかけずにマネタイズを成功させたその手腕は一体どのようなものなのか見てみましょう。


「そこに市場があるのか」を見極めるセンス
ブログを始めるにあたり、「人々に興味を持ってもらえるテーマとは何か」「そこにマネタイズにつながる市場があるのか」を見極めるセンスは重要なものです。今回ご紹介するBeardbrand社の最初のステップとなったブログテーマは、Eric Bandholz氏の趣味である「ヒゲ」という一風変わったものでした。このヒゲというユニークな市場に目をつけるまでの経緯は一体どのようなものだったのでしょう。

Bandholz氏は起業前、Bank of Americaのウェルネスマネジメント部門であるMerrill Lynchの、ファイナンシャルアドバイザーというエリートポジションに就いていました。しかし、職種的に「自由にヒゲを生やす」ということが好意的に受け入れられない現実に落胆し、転職してフリーランスのグラフィックデザイナーになったというユニークな職歴の持ち主でもあります。

そんなBandholz氏ですが、自分の趣味である「ヒゲ」をビジネスにできるかもしれない……と考えるようになったきっかけは、2012年に参加した「West Coast Beard and Mustache Championship」(大会参加者150名、観客数1,000人以上)と呼ばれる、ヒゲコンテストでした。コンテストに参加したことで、「ヒゲに興味があるのは自分だけではない……」と、人々の「ヒゲ」に対する興味を感じ取ったBandholz氏は、ヒゲに関するコンテンツを投稿するブログを開始。その結果、ロイヤルファンを着実に獲得し続け、後に「ヒゲを生やした男性のための高級商品」という、これまでにない、野でのビジネスの可能性を見いだしたそうです。


初期投資は一人頭わずか4千ドル
Beardbrandを設立するにあたりBandholz氏は「Startup Weekend」というイベントに参加しました。このイベントは2007年に始まったもので、世界70か国、210都市で活動しています。

イベント参加者は最初に、スタートアップに関するプラスやマイナスについて学ぶところから始め、その後、自分のアイデアのピッチを行います。各参加者のピッチ終了後、全アイデアの中からビジネス化できそうなものが15から20ほど選ばれ、それらは実際の起業に向けて「アイデアの内容の確認」「顧客からのフィードバック収集」「プロトタイプの作成」といったステップに進んでいきます。

このイベントでBandholz氏が出したアイデアは「ヒゲを生やしたテレビホストが、世界中のすごいヒゲを紹介していく」というものでした。このアイデアは「楽しいけれど起業につなげるには物足りない」と判断され、残念ながら次のステップまで進むことはできませんでした。

しかしBandholz氏は諦めません。「そこにニーズはあるはず」という信念のもとに、協力者2名とともに、起業に向けて動き出したのです。初期投資として2人がブランドにつぎ込んだ金額は、一人頭4千ドルで、決して高額ではありませんでした。協力者のReinders氏は商品の調達や卸売りの管理を、もう1人のMcGee氏は運用や戦略立案を担当し、Bandholz氏がマーケティングの責任者となり、それぞれの長所を活かして効率よくビジネスの展開を行いました。ブランド立ち上げの要となった最初の商品は、自分たちで考案した処方をもとに、少量ずつを制作。また、ブログで取り上げたことのあるヒゲ用商品の販売元と交渉し、肌を保湿しフケを防ぐヒゲ用のオイルや、スタイリング用のワックスといった商品の卸売りをさせてもらうことに成功しました。

2012年の起業当初の売り上げ自体は、それほど多くありませんでしたが、2013年1月のNY Timesニューヨーク・タイムズに掲載された「The Taming of the Beard」で、「ヒゲに関するエキスパートの1人」としてBandholz氏が紹介されたことが、ブランドの転機に。記事が発表されるタイミングに合わせてオンラインストアを始動し、その後はYouTube、Reddit、Tumblrといったプラットフォームを通じて、ブランドの確立を行っていったのです。

Beardbrandにとってさらなるステップアップのきっかけとなったのが、アメリカの人気投資バラエティー番組「Shark Tank」に出演したことです。番組内での投資は受けられなかったものの、放映後のウェブトラフィックやオンラインでの売り上げは3倍になり、ブティックや美容院にも商品を取り扱ってもらえるようになりました。収益の8割はオンラインセールスで、残りの2割はこういったブティックや美容院からのものだそうです。


ブランド確立こそが重要ポイント

Brand Branding Marketing Commercial Name Concept
Brand Branding Marketing Commercial Name Concept

Bandholz氏は、多くのスタートアップ企業が抱える問題として、「商品を売る」ことに集中しすぎて「ブランドの確立」を怠っていることを指摘しています。企業として成長を続けマネタイズにつなげていくために、ブランドとしての地位の確立は、欠かせない要素であると彼は言います。

ブランドとしての地位を確立するためには時間も費用もかかるし、「売り上げ」のように企業へのプラスが数字で見えない分、そのことに意識を集中させることは難しいものです。しかし、ブランドを築くことによってロイヤリティーの高い顧客を確保し、口コミ効果を得られれば、結果として企業の価値を高めたり、顧客が商品をより高い値段で購入してくれるようになったりといった、長期的なメリットにつながります。
Beardbrandがブランド確立のために実際に使用したマーケティング手法には、

➢ 企業概念を伝えるためのウェブサイトの設立
➢ 自社のビジョンを共有する動画や広告の作成
➢ 名刺やPR商品を用意し、これらをバラエティーに富んだプラットフォームで宣伝
➢ 商品のパッケージングなどにも「自社のブランドらしさ」が出るようこだわりを持ってデザイン
といったものがありました。ブランドとして作り上げたいイメージを明確にしておくことで、マーケティング用に準備するコンテンツやメディアにも統一感を持たせることができるのです。

Beardbrandが1年で遂げた成長は?Bearbrandが設立1年で成し遂げた業績はどのようなものだったのでしょう。Bandholz氏がredditで発表した内容は、
➢ 1年未満でひと月の売り上げは0から12万ドルへと向上

➢ 業界平均を上回るリピート率
➢ メルマガ登録者は7,000人以上。メール開封率46.6%、メールクリック率13%
➢ ユーザーが商品に関するレビューや体験報告を、自ら進んでソーシャルメディアでシェアしてくれる
➢ 顧客が商品をBeadnrandから購入するのは、企業のビジョンや配信動画の効果であると言ってくれる
といったものでした。売り上げの向上はもちろん素晴らしいですが、メルマガやメディアに関する情報を見ると、消費者を引きつけるブランドづくりに見事に成功しているようです。


Bandholz氏の考える理想のマネタイズとは
マネタイズの成功に向け、企業はさまざまな決断を迫られることがあり、時としてその決断はマイナスの結果を招いてしまうこともあります。しかしBandholz氏は、企業が商品やマーケティングに投資を行ううえで、「そこから学ぶものがあれば使ったお金や時間は無駄にはならない」と言います。マイナスの結果も、その過ちを学んで次に活かすことができるのならば、それでもよいではないかと考えているそうです。

また、商品やサービスを提供するうえで本当に大切なのは、消費者に「企業の経営者や創業者はどんな人か」「どんなストーリーを抱えているか」を理解してもらうことで、なぜその商品やサービスを購入するべきかを伝えることです。こういった要素とともに、なぜ自社がそのビジネスを作り上げていくのかという信念を明確にすることで、消費者に「なぜその商品やサービスを買うべきなのか」を伝わり、結果的にマネタイズの成功につながっていくそうです。


マネタイズを目指すならブランドの体制を整えることから

Man holding razor against brick wall
Man holding razor against brick wall

今回の事例を教訓として得られるマネタイズを成功させるカギは、「いかに多くの投資を行えるか」ではなく、「どのようにブランドとしての体制を整えていくか」が重要であるということです。企業のスローガンは何か……企業として顧客に伝えたいメッセージはどんなものか……自社の商品やサービスを使うことで、消費者にどのようなメリットを与えることができるのか……こういったポイントをしっかりと考えた上で、ブレのないブランドを築き上げ、マネタイズを目指していきましょう。

参考:
How One Man Listened to His Community, Then Built a $40k Per Month Ecommerce Business in Under a Year|shopify
This Entrepreneur Turned His Beard Into a Brand|Inc
Beardbrand’s guide to building a brand|reddit
OUR STORY STARTS HERE|BeardBrand

 

ライタープロフィール:
Texas A&M University、経済学部卒。福岡出身、テキサス在住。大学卒業後、化粧品や医薬品の臨床試験を行う米国企業のアジア部署に就職。部署責任者として、世界各国の企業相手にマーケティングを担当。

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