インタビュー:収益の95%は記事広告と純広告、恋愛コラムサイト「AM」のメディア戦略

akk

2016/09/05 マネタイズ公式ブログ 

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AM」は恋愛コラムサイトの印象が強いものの、主眼は恋愛や性ではなく女性の主体性を支援するところにある。現在は記事広告や純広告を中心にマネタイズしており、その経緯やサイトがどのような方向を目指しているのかを同社 大平兼士氏におうかがいした。


恋愛よりも女性の主体性を主眼とするサイト「AM(アム)」

私は2013年新卒でミクシィに総合職として入社しました。サロンスタッフと直接相談しながら施術予約ができるビューティーアプリ「minimo」の立ち上げやmixiプレミアムの営業などを経て、現在のDiverse社に出向しています。Diverse社ではエンジニアとしてアプリ開発からサーバーサイドまで経験し、現在はAMほか、弊社のマッチングアプリPoiboyYYCのマーケティング全般を担当しています。

AMは「アム」と読みます。フランス語の「アムール(愛)」を由来としています。開設は2012年のバレンタインデーでした。恋愛コラム系のサイトとしては先駆けになるかと思います。編集担当は4名ほどで女性誌やカルチャー系の紙媒体出身者が多く、記事は外部のプロライターさんやコラムニストの方に依頼しています。

サイト運営には変遷がありますが、恋愛中心のコンテンツを扱うことは変わりません。サイトの副題が「非恋愛時代に、未来はあるのだろうか」としており、ちまたで出ているモテテクや婚活に踊らされず、自分のフィーリングを信じようという考えが根底にあります。恋愛より女性の主体性を重視し、女性を応援するメディアです。

Diverse社の収益の柱はマッチングサービスとなっており、AMは「収益を上げないといけない」というが志向あまり強くありません。どちらかと言うとオウンドメディアという位置付けに近い存在です。

収益のメインは記事広告で約65%。次が純広告(バナー)で約30%、残り5%程度がアドネットワークやアフィリエイト。記事広告と純広告がほとんどを占めています。

メディアの収益方法をPV単価の高い順に並べると、記事広告、純広告、SSPやアドネットワークとなります。収益化を考えたとき、メディアとしてはいかにPV単価の高いものを売れるかがキモなので、記事広告の売上比重をより高めるようにしています。一方で単価だけで考えると記事広告が良いものの、過去記事に由来するPVの収益化も考えると純広告やアドネットワークを使う必要性もあります。

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収益性は度外視しつつも記事広告から着手、次にSSP導入へ

もともと収益性を追求するサイトではなかったため、赤字のまま運営していました。当初PVは伸び悩んでいましたが、SEOの効果や外部配信先を増やすことで、開設から2年程度で1000万PVに到達しました。その前後(2014年上半期)で最初の記事広告を出しました。

2014年8月ごろから過去記事の収益化も考えてSSPの利用を開始しました。サイトにバナーを貼る枠すらなかったため、枠を作ることからはじめました。SSP導入直後は「こんなに収益があがるのか」と驚きました。しかしユーザーがバナーに慣れてきたのと、SSP1社のみ導入したのでCPMが下がると手の打ちようがないことに気づきました。

SSP導入直後はCPMを見ても感覚がつかめませんでしたが、やっていくうちに分かってきました。CPMが落ちてくると「どうした?何が起きた?」焦るようになるわけです。例えばCPMで8円なら、1000インプレッション(表示)で8円、ページを1回表示すると0.008円にしかなりません。収益低下の対策として、他社のアドネットワークを入れてみることにしました。SSPとアドネットワークを併用し、2社で競わせることにしたのです。

SSPはアドネットワークを束ねている親分のような存在です。ですので親分と子分を混ぜるような形でしたが、やってみたら案外子分のほうが健闘していました。SSPだとRTBにより瞬間的に高い広告を表示することもできますが、マージン分もあるため、アドネットワークの方が最終的に高くなることもあるのです。


アドネットワークから純広告へ切り替え

メディアとしてPVを増やすには外部配信先を増やせばいいので、比較的難しくはありません。PV中心にマネタイズするならそれでもいいのですが、ブランディングを高めようとしたらうまくいきません。AMは先述したように、女性の生き方を支えていくメディアとしての価値を高めるほうを重視しています。またサイトは会員登録制ではないので、読者のデモグラフィック的なデータは把握していません。営業的にはとりたいですけどね(笑)

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一時は記事広告に加えて、SSPとアドネットワークの併用をしていましたが、今はバナー枠はほぼ純広告に張り替えています。先述したように単価で考えるとアドネットワークより純広告のほうが高いからです。純広告は売り手側となるメディアが広告主に「この枠を買いませんか」と販売するものです。それに対して、純広告を販売できないサイトを束ねて収益化する仕組みがアドテクです。この歴史がある以上、アドテクは基本的に買い手側のロジックの上に成り立っています。

アドネットワークから純広告への切り替えの経緯をお話しします。先述したようにSSPに加えてアドネットワークも併用することにしました。アドネットワークの担当の方と直接やりとりするようになると、広告主の姿が見えてくるようになりました。どの広告主が今月どのくらい単価を上げているかとか、この広告商材ならうちと相性がいいなどが把握できるようになってきたのです。そこで広告主に直接、あるいはメディアレップ経由で純広告の話を持ちかけるようになり、アドネットワークから純広告へと徐々に切り替えていきました。

SSPからアドネットワーク、そして純広告という経緯です。これだとテクノロジーとは逆行しているんですよね(笑)。

広告主が分かってくるというのは、広告主ごとのLTV(顧客生涯価値)やCPAが把握できるようになったということです。広告主が1コンバージョンに対しどれだけ払えるのかが分かってくると、純広告を「この値段でどうですか」と提案しやすくなってきます。アドネットワークを使うと調整のためのコミュニケーションが増えますが、そこから得られるものは大きかったと感じています。私自身はAMだけではなく、PoiboyやYYCのマーケティングもしていますので、広告動向や出稿側の数字や思考を把握できるようになったのも大きいですね。

 

コンバージョンよりブランディング向上を目指して

純広告のために記事の内容を広告主に寄せるということは特にしていません。現状で純広告を貼れるということは、すでにコンテンツが広告主と合っているということになるので。現時点では純広告は電子書籍の会員サイトが多いですね。電子書籍のサイトだとCPAが高く、クリエイティブ自体がコンテンツになりやすいという特徴があります。

広告の売上は単価×本数で決まるのですが、ビジネス的には単価を上げていくことを目標としています。広告の本数を増やすのではなく、単価を上げる。通常のコンテンツでどれだけ媒体の魅力を高めていけるかを重視しています。「こういう商品を作ったらAMに広告を出さなくては」と思ってもらえるようなサイトを目指していきたいですね。

コンバージョンばかりに気を取られていると 広告の値段はどこかで限界がきてしまうと思います。コンバージョンから逆算して値段を決めるのではなく、クライアントのPRの予算を頂けるような媒体になる。特に記事広告を出す目的は認知を高めたいということなので、認知させたことをきちんと説明できるメディアになること。これが目下の目標ですね。

現在の広告主は、夏だと脱毛、健康ドリンク、コスメやビューティー系が多いです。将来的にはライフスタイル提案など、ナショナルクライアントなどメジャーな企業に広告を出してもらえるようにと考えています。


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