AMPを前にパブリッシャーが抱えるジレンマとその対策

Google社がモバイルウェブ高速化の手段として提供するAMP(Accelerated Mobile Pages:アクセラレイティッド・モバイル・ページ)。ウェブコンテンツのロード時間を短縮することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、ページ離脱率を低下させるとの期待がかかっています。しかし、コンテンツのロードが早くなるがために、従来の広告表示がその速度に追いつかず、広告をユーザーが見ないという問題が発生。広告収入を期待する企業にとって、この問題は軽視できるものではありません。そこで今回は、AMPについて詳しく学び、企業として一体どのような対策をとる必要がでてくるのか考えてみましょう。


パブリッシャーにとってAMPは吉か凶か

Google社が提供するAMPを導入することで、企業はモバイルサイトを高速化するためのガイドラインや、そのツールにアクセスできるようになります。AMPを使用してモバイルウェブデザインを行えば、ユーザーがモバイル上でコンテンツをロードするのにかかる時間が短縮され、ユーザビリティーが向上します。その結果、これまで「コンテンツのロードに時間がかかりすぎる」とページから離脱してしまっていたユーザーを取り戻す助けとなるのです。

しかし、コンテンツのロードが早くなったがために、同ページに表示される広告がタイムリーに表示されないという問題が発生しています。これは広告収入を見込んでいるパブリッシャーにとっては軽視できない問題です。「コンテンツのロード速度を上げて、より多くのユーザーに訪問してもらう」というポジティブな点と、「コンテンツのロード速度に広告のロード速度が追いつかないため、広告がユーザーの目に留まらない」というネガティブな点とのジレンマに陥ります。

AMPを使うことでユーザーエクスペリエンスを上げて集客につなげたいけれど、広告からのマネタイズの方法に課題がある。こういった場合、パブリッシャーは、「果たしてAMPは自社にとって導入する価値があるのか?」という根本的な問題について考える必要があるでしょう。


AMPの広告に対するGoogleのポジションは?

Business concept drawing on the paper with color pencils aside.
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企業が抱えるジレンマに対し、Googleは一体どういった取り組みを行っているのでしょうか。ACCELERATED MOBILE PAGES PROJECTのブログを見てみましょう。ブログ内では「AMPの成功は、広告もきちんと機能していなければ成り立たない」と書かれています。パブリッシャー側が広告に対して抱えている不安や問題をGoogle側はきちんと把握しているようです。

Googleは対策をとるべく、Moto Analyticsと呼ばれる企業やパブリッシャー向けのクロスプラットフォーム解析を提供する企業と手を組みました。このほかにも20を超えるアドテク企業がAMP上での広告表示に取り組んでおり、AMPを導入したモバイル向けサイトにおいて、パブリッシャーがより好条件で広告の掲示ができるようになるよう努力が続けられています。AMPのサービス提供はまだ始まったばかり。
AMP上の広告には以下のといった課題があります。
➢ ロードスピード
➢ 消費者にアピールできる見た目
➢ httpsプロトコルを使用してセキュリティを向上
➢ ユーザー、パブリッシャー、広告を掲載した企業の全てが一丸となって向上できるシステム作り
Googleだけでなく、アドテク企業やパブリッシャー、ユーザー、企業が情報を交換することで、今後のパブリッシング業界はさらに進化していくでしょう。


マネタイズ法としてヘッダー入札機能にも期待!

bid colorful word on the wooden background
bid colorful word on the wooden background

パブリッシャーの収益増加につながる方法として注目度の高い「ヘッダー入札」と呼ばれるものがあります。ヘッダー入札を行うと、リアルタイムで広告枠の在庫をオークションにかけられ、パブリッシャーは広告収入を向上させることが可能です。 しかし、「リアルタイムで入札が行われる」ため、ヘッダー入札を経由した広告はロードに時間がかかるのが一般的。ロード速度がポイントとなるAMP との相性はあまりよくないと考えられています。


広告収益を意識しながらAMPを導入しよう

企業として広告収益をマキシマイズするには、消費者の目に広告が留まるような対策をとる必要があります。「ユーザーにとってメリットの高いAMPはよい!」と飛びつかずに、まずはAMPにみあった広告収益向上プログラムを意識し、企業にとってプラスとなる策を見い出すようにしましょう。

参考:
➢ What Google’s Accelerated Mobile Pages (AMP) means for consumers, publishers, and the future|10up
➢ Header Bidding Comes To Platform Publishing, As Rubicon Ties Up With Google AMP|ad exchanger
➢ AMP: WHAT ABOUT ADS?|ACCELERATED MOBILE PAGES PROJECT
➢ Rubicon Project optimises first header bidding solution compliant with Google AMP|the drum

ライタープロフィール:
Texas A&M University、経済学部卒。福岡出身、テキサス在住。大学卒業後、化粧品や医薬品の臨床試験を行う米国企業のアジア部署に就職。部署責任者として、世界各国の企業相手にマーケティングを担当していました。

名称未設定

モバイルWebページを高速化するAMPとは

モバイルWebページは様々な要因で読み込みに時間がかかることがありますが、表示の遅れはメディアにとって致命的な問題です。表示が遅いと、ユーザーがページから離脱するだけでなく、広告収益の機会損失にもつながるためです。

そこで、モバイルWeb環境をより使いやすくし、モバイル コンテンツ配信エコシステムを強化するための取り組みが「Accelerated Mobile Pages」プロジェクトです。略してAMP(アンプ)と呼ばれています。

 

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AMPは、AMP HTMLというフレームワークをオープンソースとして公開されました。
AMP HTMLの仕様に沿ってモバイル向けページを構成することで超高速化を実現できます。AMPの仕様に従って構成されたWebページは、GoogleやTwitter側にキャッシュされます。つまり、そのページが存在するWebサイトへのアクセスが発生しないため、都度ページを読み込む必要がなくなります。

AMP の導入に成功しているサイトの例は以下の通りです。

The Guardian(記事の URL の末尾に /ampを付けるとその記事の AMP バージョン
が表示されます)
The New York Times
The Verge(「/platform/amp」を削除すると通常のページに戻ります)
​●BBC
BuzzFeed

現在、BuzzFeed、the Washington Postなどのパブリッシャーのほか、Google、Twitter、Pinterest、LinkedIn などテクノロジー企業含めおよそ30社ほどがパートナーとしてこのプログラムへ参加しています。

AMPの詳細は、公式サイトAccelerated Mobile Pages Projectより確認できます。

サイト運用者向けAMP導入ガイドの日本語版は、2016年1月29日に公開されました。

Webの高速化は、Googleが重要視している1つのテーマです。Webページの高速化を実現し、ユーザービリティを高めることで広告収益向上につなげていきましょう。

 

Written by Google マスター