データで確認!モバイル広告業界でPMPの注目度がアップ

高品質のオーディエンスへのアクセスが可能となるPMP(Private Market Place:プライベートマーケットプレイス)への注目度が、メディア業界で高まっています。今回はPubMatic社の行った調査の結果をもとに、PMPの魅力とはどのようなもので、どの程度注目度が高まっているのか確認してみましょう。


PMPの魅力とは?

プログラマティックバイイングのコンセプトが、広告業界にだいぶ浸透した今、アドバタイザーの目はいかに好条件の広告枠を入手して他社に差をつけるかに向き始めています。そこで注目度が上がっているのが、プログラマティック分野をさらに進化させたPMPです。

PMPの特徴のひとつは、市場に参入できるアドバタイザーが限定されることです。PMPを導入し、市場に参入する買い手を限定することで、パブリッシャーはより高品質な広告在庫取引の場を用意できます。パブリッシャーが高品質な広告在庫を提供すれば、アドバタイザーは広告枠を購入する際にビューアビリティーの低い枠に無駄なコストを費やす心配がなくなります。PMPでは売り手・買い手の両方があらかじめ承認した購買パラメーター(最低価格、広告投入期間、コンテンツ内容、参加できるアドバタイザー)が設定されているため、広告枠売買のコントロールをそれぞれが行えます。

このようにある程度の規律に従って市場が動くため、パブリッシャーは市場の動向を洞察しやすくなります。「どのようなアドバタイザーがどのような種類の広告枠を購入しているか」「高品質の広告枠に対し、どの程度の価格設定でアドバタイザーが購入に踏み切るか」といったデータを得て、それを今後の戦略に役立てていけます。

また、PMPを一度導入すれば、あとは基本的に必要に応じたトラブルシュートを行うだけで管理できるというのも魅力です。広告の売買を自動システム化すれば、これまで広告枠のセールスを担当していた社員やオペレーションをなくし、その戦力を企業運営のほかの部分に回せます。企業内のワークフローを減らすことになり、結果的にコストの削減にもつながります。


広告業界の流れはPMPが主流に
パブリッシャー向けのマーケティングオートメーション・ソフトウェアを提供するPubMatic社が2015年第4四半期(Q4)について行った調査があります。2015年のホリデーショッピングシーズン(11月の感謝祭からクリスマスあたりの期間)には、より多くの企業のアドバタイザーがモバイル顧客のターゲティング目的でモバイルPMPを使用したことがわかっています。2015年11月27日のブラックフライデーに始まったQ4では、モバイルPMPのインプレッション数は45%増加。PMPのボリュームは小売業界で106%、テクノロジー業界では285%まで上がりました。

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このデータから予測されるのは、米国では、ホリデーや選挙、スポーツなどの大きなイベントが発生すると、モバイルPMPの使用量が増えるであろうということです。市場調査会社のeMarketerは、アメリカのPMPに対する2016年の出費は約36億ドルに達すると予測しており、これは2013年の8,000万ドルの45倍を超える額となります。


米国のスポーツイベントでもモバイルPMPが熱い

2016年度第1四半期には、アメリカンフットボールの優勝戦「スーパーボール」や「NCAAカレッジバスケットボールトーナメント」、国際的なラグビー大会の「Six Nations Championship」などのイベントにおいて、PMPの使用量が増加しました。

このような傾向が見られる理由として、パブリッシャーとアドバタイザー向けにモバイル広告市場の重要な洞察をまとめた調査報告書「Quarterly Mobile Index (QMI) for Q1 2016」で、PubMatic社は「多くのメディアバイヤーがPMPの需要を感じている」ことを挙げています。PMPで広告枠を購入することで、アドバタイザーは大きなイベントを行う前に計画性を持ってキャンペーンを計画できるようになります。当調査の結果によると、メジャーなスポーツイベントではモバイルPMPへの売り上げが向上しており、スポーツ分野でのPMP量は対前年比1,000%と大きな成長を見せています。


モバイル広告の在庫バリューも向上中

Quarterly Mobile Index (QMI) for Q1 2016では、モバイルアプリ、モバイルウェブともに広告の在庫価値が向上していることもわかりました。前年対比で見ると、CPMはアプリで67%、ウェブで57%向上しています。これはパブリッシャーとアドバタイザー両者にとって、モバイルプラットフォーム(アプリ・ウェブ合わせて)における広告在庫の質と価値が上がったことを示しています。
ちなみに今回の調査で発表されたキーファインディングスは以下の5つです。

➢ Androidアプリの広告在庫価値は前年対比で150%向上
➢ プレミアム・パブリッシャーにとって、モバイルトラフィックとその在庫の大部分をモバイルウェブが占めており、それが大きなマネタイズチャンスとなっている
➢ モバイルCPMの平均が南北アメリカで30%、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)では64%成長。これは世界単位でモバイル広告在庫の質が上がっていることを示している
➢ メジャーなスポーツイベントがモバイルPMPに出資。スポーツ分野のPMPのボリュームは前年対比で1,000%増加
➢ モバイルのCPMはプログラマティック・バイイングにより向上。モバイル広告の成長に貢献している

広告業界ではモバイルアプリやモバイルウェブの人気が高まっており、そのなかでもPMPを筆頭とするプログラマティックへの注目度が高いことがわかります。


PubMatic社のアドバイスは?

今回の調査結果をもとにPubMatic社は、モバイルウェブ広告在庫のマネタイズ継続の手段として、以下の2つのアドバイスをしています。

1. モバイルウェブの広告在庫にジオロケーションまたはデバイスID機能を付加するべき。顧客のターゲティングを簡単に行える環境を強化して広告在庫の価値を向上させる
2. モバイル広告在庫をPMPにまとめてクロスプラットフォーム化を図る。これによりメディアバイヤーにとってより魅力的な存在になり、単独プラットフォームのPMPより高額で取引しやすい環境をつくる
パブリッシャーが広告でマネタイズを行うには、広告売買を行う企業やアドバタイザーにとってより価値の高いプラットフォームを提供する必要があるということを教えてくれています。

新たな広告取引の場としてPMPにぜひ注目を
高品質の広告在庫の取引場所として近年注目の高まっているPMP。日本より早くPMP市場が普及したアメリカを中心に、世界的に急成長を遂げています。日本でもPMPの普及は進んでおり、広告取引の場の新しい形として注目していきましょう。

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参考:

➢ Mobile marketers are spending more on quality inventory through private marketplaces|mobiaffiliates
➢ 5 PILLARS OF A SUCCESSFUL PRIVATE MARKETPLACE STRATEGY FOR PUBLISHERS|centro
➢ Android Inventory Soars On Exchanges, Demand Shifting To Private Markets|MediaPost
➢ Mobile ad inventory value rose substantially in Q1|DCN

ライタープロフィール:
マケナ雅美
Texas A&M University、経済学部卒。福岡出身、テキサス在住。大学卒業後、化粧品や医薬品の臨床試験を行う米国企業のアジア部署に就職。部署責任者として、世界各国の企業相手にマーケティングを担当していました。
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モバイルプログラマティックの近未来予想図

モバイル上でのプログラマティック広告の重要性が高まるなか、その仕組みや有効的な活用法をきちんと理解している企業はどれほどあるでしょうか?

そのメリットを最大限活用できる体制を整えるためにも、まずは正しい知識や最新のデータを学び、今後、企業としてどのようにプログラマティック広告を取り入れていくかの参考にしましょう。


プログラマティック広告のメリットとは?

プログラマティック・アドバタイジングとは、オートメーション化されたシステムを導入することにより、サイトを訪問したユーザーの嗜好にあった広告を表示する仕組みです。ユーザーに合った広告を表示させるために、ユーザーの過去の閲覧歴や消費に関する情報を使ったり、表示した広告に対してユーザーがどのような反応を示したかのデータ分析を行ったりしながら、広告キャンペーンを最適化していきます。

プログラマティック広告を導入すると、以下のようなメリットを得られます。

➢ 自分たちが達成したい目標やターゲット顧客に関する情報を設定可能。必要な情報を前もってプログラムすることで、ターゲット外の顧客に費用や手間を費やしてしまうという無駄を減らせる。
➢ ユーザーの嗜好やニーズは常に移り変わるもの。消費者の動向に沿って、リアルタイムで最適な内容の広告を流すことで、クリック率やコンバージョン率を上げる効果が期待できる。
➢ より多くの広告在庫にアクセスできるため、デスクトップやモバイルなど複数端末を使ったクロスプラットフォームでの広告がより簡単になる。このため、ユーザーが別の端末を使ったときにリターゲティングが可能。また、ユーザーは気にいった広告をSNS経由で拡散しやすいため、1つの広告がより多くの消費者の目に留まるチャンスが大きくなる。
➢ ターゲット顧客に表示された広告に対してのみ支払い義務が生じる設定にすることでコストの無駄を削減でき、ROI(投資収益率)が向上する。
➢ プログラマティック広告が生み出すデータ解析をもとに、自社の商品やサービスに興味を持つ消費者に関する人口統計やキャンペーン効果の高い時間といった情報を得られる。


IABが行った調査結果によると……

Results Effect Achievement Assessment Evaluate Concept
Results Effect Achievement Assessment Evaluate Concept

ここで、イギリスのInternet Advertising Bureau(インターネット広告事務局)が行った調査結果を紹介しましょう。調査の対象となったのは301人のマーケター。そのうち70%が「モバイル広告は自社の広告戦略にとって大切な一部である」と考えているものの、モバイル広告全体に関する知識については、「とても豊富だ(Excellent)」と回答したのはわずか29%。これに対して「乏しい(Poor)」と回答したのは22%と決して低くありませんでした。また、調査対象者の半数は「スマホ用プログラマティック広告を導入している」と回答したものの、44%はこれについての知識は「ほぼない」「全くない」と言っています。

消費者のモバイル端末やウェアラブル端末の使用率は上昇傾向にあります。今回の調査結果によると、広告業界でもモバイルの重要性は認識されているようです。しかし、どのような対策を練るべきか、どういった戦略を立てるべきかといったことはわからず、戸惑っている企業が多いこともわかりました。

 

モバイルプログラマティック広告を制するポイントは?

exclamation mark drawn by hand on a transparent board
exclamation mark drawn by hand on a transparent board

2016年度、米国のモバイルプログラマティック広告に対する出費は国内のプログラマティック広告出費の60.5%になると予想されています。大きな成長を見せる市場で企業はどういった点に注意するべきか、Rubicon Project社SVP(シニア・バイス・プレジデント) & head of mobileのJoe Prusz氏のコメントをもとにポイントをまとめてみました。

➢ 膨大なアプリのなかから、効果が高いものを探さなければならない:モバイル広告のベースの1つに 消費者が使用する「アプリ」があります。しかし、市場には数多くのアプリが存在しており、そこから自社の広告ベースとして適しているアプリを探し出すのは容易なことではありません。対策の1つとして注目したいのがPMP(Private Market Place:プライベート・マーケットプレイス=限定された広告主とメディア間で広告取引が行われるマーケットのこと)です。
プログラミィック機能やDPS(Demand-Side Platform:デマンドサイドプラットフォーム)の開発を自社で行っている企業は、PMPを使うことでより質の高い広告枠を確保できるようになります。
➢ ロケーション機能を使ったターゲット広告の重要性:Rubicon Projects社が行った「Fourth Annual Global Mobile Survey(第4回グローバルモバイル調査)」によると、北米の33%の代理広告バイヤーは、顧客の予算の81〜100%を、ロケーション機能を使ったターゲット広告にあてる予定だと回答しました。
エージェンシーはその理由を、広告主に広告在庫を売る際にロケーション機能つきの在庫のほうが売りやすいことを挙げています。この機能により、「◯◯駅の近くにいるユーザーに◯◯店舗のセール情報を流す」といった広告発信ができるのはもちろん、ロケーションターゲティングによって、さまざまなデータが採取できます。また、データを使用することで、より価値の高いオーディエンスエグメントの作成が可能となります。
➢ モバイルネイティブ広告への対策:Facebookオーディエンスネットワークが行った「The Future of Mobile Advertising」によると、モバイル上でのネイティブ広告に対する需要が高まっており、2020年にはモバイルディスプレイ広告の63.2%が、ネイティブ広告に取って代わるというデータが出ました。
しかし、2016年3月の時点で、モバイルネイティブ広告を大々的に取り扱っているのはFacebookとTwitterの2つのプラットフォームのみです。広告の買い手はネイティブ広告に投資を行っているのに、売り手側はその需要に対応できるフォーマットを提供する用意ができていない。こういった現状への速やかな対応が求められています。


モバイルプログラマティックで知っておきたいデータ

モバイルプログラマティック広告は世界各国で注目度が高く、これに関する調査は数多く行われています。今章ではそのなかから、モバイルプログラマティックを導入するうえで知っておきたい知識をいくつか紹介します。

➢ 2016年には、多くの企業がモバイルビデオへの出費を向上させる予定( ZenithOptimediaの調査では2015~2018年の間、モバイルビデオ数は1年間に32%の成長を見せ、グローバルマーケットの87%の広告支出がモバイルビデオ向けとなる予想)
➢ 企業に属するメディアバイヤーの3/4が、モバイル購買の81~100%はロケーション機能を活用したものになると回答。代理広告バイヤーは27%。(Rubicon Project社第4回グローバルモバイル調査)
➢ 企業に属するメディアバイヤーの半数は、2016年度の81~100%のモバイル広告予算を、自動化されたモバイルPMPにあてると回答。(Rubicon Project社第4回グローバルモバイル調査)
➢ 世界的に、広告バイヤー(企業、広告代理店、DPS他のプログラマティックバイヤーなど)は、プログラマティックモバイルPMPへの出資を27%引き上げる予定と回答。(Rubicon Project社第4回グローバルモバイル調査)
今後の広告戦略に役立てよう
プログラマティック広告の注目度はますます向上しています。なかでも、ユーザー数が増加している、モバイル上でのプログラマティック広告の導入は、今後の広告収益を増やしていくために、ぜひ考慮したいものです。まずはその仕組みとメリットを把握し、今後の予算計画や広告戦略を立てる際にしっかりと役立てていきましょう。

参考:

ライタープロフィール:

Texas A&M University、経済学部卒。福岡出身、テキサス在住。大学卒業後、化粧品や医薬品の臨床試験を行う米国企業のアジア部署に就職。部署責任者として、世界各国の企業相手にマーケティングを担当していました。

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